中国の歴史をみると、王朝の興亡が繰り返され、隆盛を誇った漢や唐、清も結局は滅びている。清朝に反旗を翻した太平天国も滅亡を免れなかった。
日本との戦争が終わりに近づいた1945年7月、民主派政治家の黄炎培が共産党の根拠地、延安を訪れ、毛沢東と会談した。黄炎培はそうした中国の歴史を踏まえて、興亡の「歴史のサイクル」から逃れる新しい道を探し出すことを望むと語った。毛沢東は「われわれは既に新しい道を見つけた。それは民主である。人民に政府を監督させるのである」と答えたという。
共産党はその4年後、国民党との内戦に勝利して政権を獲得し、新中国を樹立した。昨年は建国70年であり、来年は共産党創立100年である。
2012年秋に党総書記に就任して最高指導者になった習近平は、党と政権のありように危機感を抱いてきた。それは習近平がしばしばこの「歴史のサイクル」に言及していることでもうかがわれる。
総書記に就任して間もない12年末、各民主党派の指導者と会談した習近平は、毛沢東と黄炎培との対話を持ち出し、興亡に関する「歴史のサイクル」の議論は、党に対する「励ましと警告」であると語っている。
習近平は17年秋の第19回党大会における政治報告でも、「腐敗はわが党が直面する最大の脅威である。幹部、政府、政治が清廉公正であってこそ、歴史のサイクルから抜け出し、党と国家の長期的安定を確保できる」と述べている。
習近平が総書記就任以来、厳しい腐敗一掃の運動を続けるとともに、党員、とりわけ党幹部に対して、確固たる理想と信念を持つよう訴えてきたことは、この興亡のサイクルから抜け出すためともいえよう。
共産党はまた、昨年5月末から年末まで、「初心を忘れず、使命を心に刻む」キャンペーンを党内で展開した。これも歴史サイクルを意識したもので、習近平は今月上旬に開かれた、このキャンペーンの総括会議で、「初心を忘れた政党に未来はない」と強調した。
習近平はさらに、今月中旬に開かれた党中央規律検査委員会総会で、「われわれは歴史のサイクルから抜け出す、成功の道を見つけ出した」と述べている。その言葉の背後にあるのは、政治的安定と経済的発展をもたらしたと自賛する「中国の特色ある社会主義」への自信だろう。(敬称略)
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January 28, 2020 at 03:00AM
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