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東京製鉄、2年半ぶり全面値上げ 原料高・経済活動回復で - 日本経済新聞

鉄スクラップの買値引き上げが値上げにつながった(東京製鉄田原工場)

鉄スクラップの買値引き上げが値上げにつながった(東京製鉄田原工場)

電炉大手の東京製鉄は16日、H形鋼や熱延コイルなど全ての鋼材を値上げすると発表した。全面値上げは2年半ぶり。原料高や国内外の経済活動の再始動が理由だ。ただコロナ禍で鋼材需要は停滞し、流通価格は下げ基調にある。異例のタイミングでの値上げは浸透に時間がかかりそうだ。

7月契約分から値上げする。ビルの梁(はり)や柱に使うH形鋼は1トン8万1千円、補助柱などに使うみぞ形鋼は7万7千円。それぞれ6月契約分より5千円(7%)上げる。鉄筋に使う異形棒鋼は4千円(7%)高い5万9千円となる。

機械や家電など幅広い製品の母材となる熱延コイルは1トン6万5千円、機械やプラントなどに使う厚鋼板は7万3千円と、それぞれ3千円(4~5%)引き上げる。鋼板類はH形鋼などに比べ国内在庫が多いため、値上げ幅が抑えられた。

東京製鉄は製鋼原料である鉄スクラップについて、主力の宇都宮工場で標準品の買値を6月だけで計6千円(29%)引き上げた。コロナ禍の影響で減産しており、従来は安い買値を設定していた。だが、解体工事の停滞などでスクラップの発生量が減少。アジアの電炉が日本の鉄スクラップの調達を増やしたこともあって調達が難しくなり、対抗値上げを迫られた。

経済活動の回復も値上げの背景にある。日本では緊急事態宣言が解除され、企業の生産も大底を脱し始めている。中国では自動車販売が伸び、インフラ投資も盛んだ。

東京製鉄は4月契約分で全面値下げしたが、「国内のゼネコンや中国の商社から引き合いが増えている」(今村清志常務)点も踏まえ、一転値上げを決めた。原料高を製品価格に転嫁する形で値戻しし、採算の一段の悪化を防ぐ狙いがある。

もっとも、問屋や商社の間では「6月に入っても荷動きはまだ鈍い」との声が多い。都心再開発の一服や米中貿易摩擦の影響で、需要はコロナ禍以前から鈍っていた。今回の値上げについて市場では「顧客に全額転嫁するのは難しい」(専門商社)との見方が目立つ。

実際、鋼材の流通価格は昨年夏ごろから下落傾向が続いている。H形鋼の東京地区の流通価格は現在1トン7万6千円前後。1年前に比べて16%低下し、2年9カ月ぶりの安値水準にある。

2018年1月契約で値上げを表明した際は、再開発向けや訪日外国人客の増加に伴うホテル向けの需要が旺盛で、値上げが浸透しやすい環境だった。今回の値上げ表明で流通価格の底入れムードも漂うが、「すぐに上昇に転じるとまでは考えにくい」(形鋼問屋)。

今村常務はゼネコンなどの大口需要家について「少し先に必要になる分まで鋼材を手当てしようという話が増えている」と説明する。一方、小口需要が多い流通業者の間では「値上げ後は仕入れを一段と抑制する」(鋼材問屋)との声も聞かれる。先の需要に対する温度差が表れている。

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June 16, 2020 at 02:49PM
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