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バイデン氏の“薄氷の勝利”も「われわれが勝った」とトランプ氏 - WEDGE Infinity

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 米大統領選は投票日の3日から開票が始まり、再選を目指すトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領が激戦を演じた。双方に勝つ可能性があるが、4日になってバイデン氏の“薄氷の勝利”も見えてきた。トランプ氏はホワイトハウスで「われわれが勝った」と勝利宣言する一方、不正があるとして法廷闘争に持ち込む考えを明言、懸念されていた泥沼化の恐れが深まっている。

声明を発表したトランプ大統領の映像が流れる深夜のNYタイムズスクエア(REUTERS/AFLO)

トランプ善戦、バイデン猛追

 各州の発表やメディアの報道などによると、4日朝の段階の選挙人獲得状況はバイデン氏が248人、トランプ氏が214人。決まっていないのは激戦州の東部ペンシルベニア(選挙人20)、ミシガン(16)、南部ジョージア(16)、ノースカロライナ(15)、ネバダ(6)、アラスカ(3)。

 このうちジョージア、ノースカロライナ、アラスカはトランプ氏がリードしており、そのまま制する公算が強い。ネバダはバイデン氏が勝つことが濃厚と見られている。アリゾナは共和党の地盤で、前回もクリントン氏がトランプ氏に敗北した州だったが、今回はバイデン氏が勝利した。

 いずれにせよ、勝負の行方はペンシルベニア、ミシガンにかかってきたと言えるだろう。事前の世論調査専門の「リアル・クリア・ポリティクス」(RCP)の調査によると、これらペンシルベニア、ミシガンの直前の支持率はバイデン氏がそれぞれ、1.2、4.2各ポイント優勢だった。

 だが、結果はミシガンで1.1ポイント(開票率99%)優位に立っているものの、ペンシルベニアでは開票率86%段階で、トランプ氏より5.3ポイント下回っており、予想以上の苦戦を強いられている。

前回の選挙の場合、この2州ではトランプ氏が勝ったが、クリントン氏との票差は7万7744票だった。特にミシガンではわずか1万704票(0.3%)の僅差。ペンシルベニアでは4万4292票差(0.7%)だった。今回もこうした接戦になることは予想されたが、バイデン陣営はバイデン氏の出身地のペンシルベニアでこうまで差を付けられるとは考えていなかっただろう。

 だが今回、開票当初で差を付けられているのは、遅れて開票される郵便投票など期日前投票がまだ集計されていないことが原因だ。郵便投票はバイデン氏の支持者が多いため、当初はトランプ氏が有利に見える“レッドミラージュ(赤い蜃気楼)”現象が現実に起こっているからだろう。従って、今後はバイデン票が積み重なっていくものと考えられている。

過半数270票のギリギリで当選の可能性

 最終的には両候補にチャンスが残っているが、“レッドミラージュ”現象を考慮すると、バイデン氏がギリギリで勝利する可能性の方が、若干分があるかもしれない。そのシナリオはペンシルベニアの選挙人数を考慮に入れないものだ。差を付けられていることから、挽回は困難だという想定だ。

 バイデン氏が確定した大統領選挙人数は248人。これにネバダ(6)とミシガン(16)を加えればちょうど270人になり、過半数に届く。仮に、約200万もの残票のあるペンシルベニアでも勝つようなことがあれば、獲得選挙人は290人にまで到達する。無論トランプ氏がミシガンで逆転する可能性もあり、予断は許さない。

 今回の選挙を現段階で総括すると、事前の世論調査で劣勢が伝えられていたトランプ大統領が前回同様、予想を上回る強さを見せつけた印象があるが、RCPの直前の調査と実際の開票状況を客観的に比べると、ほぼ予想通りの結果となっていることが分かる。

 注目されていた南部ノースカロライナやジョージア、テキサス、中西部オハイオ、アイオワの各支持率は0.2~2ポイントの差でトランプ氏が上回っていたが、結果はトランプ氏の勝利か、優勢という事前の予想通りの結果になった。バイデン氏にとっては共和党の地盤のアリゾナで勝てそうなのが大きい。トランプ氏寄りの保守系のフォックス・ニュースがバイデン勝利を一番に報じ、トランプ氏の激怒を買ったのは皮肉と言う以外にない。

 しかしフロリダは、バイデン氏がRCPの調査で1ポイント弱リードしていたが、実際には負けた。バイデン氏はトランプ氏に一方的な勝利宣言をさせないためにも、同州で圧勝したいとの思惑を持っていたが、この戦略は奏功しなかった。逆にトランプ氏にとっては、同地で負ければ後がなかった。

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November 05, 2020 at 04:37AM
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